地域の高校生を応援します Part.3【聞き上手が合格のコツ:集団討論】


聞き上手が合格のコツ:集団討論

 公務員試験の内容は?と聞けば、多くの高校生が、「筆記試験」「面接試験」の両者、もしくは、どちらか一方を思い描きます。受験勉強の大半は、筆記試験の対策、そして、面接受け答えの練習で終わっています。しかし、地方公務員を中心に、「集団の中でどのような役割を果たす人材なのか」を見抜くために、「集団討論」試験を実施する自治体も少なくありません。それと同時に、「集団討論」への備えがほぼゼロに近い高校生も少なからず存在します。今回のテーマは、この見落としがちな「集団討論」に焦点を当て、貴校の生徒様がしっかりと対策した上で試験に臨めるよう、ポイントをご説明いたします。

「集団討論」の形式、流れは?

  • 1グループ当たり、5~8名の受験者で構成されます
  • 受験者が、コの字型の机に向き合うように座ったり、テーブルを囲むように座ったりする設定が主流です。
  • 試験官は3人程度で、受験者全体を見渡せる位置から評価を行ないます。
  • 制限時間は20分~60分と、試験先により幅があります。
  • 討論の課題は、一次合格発表と同時に事前告知する場合と当日告知に概ね分かれます。
  • 当日告知の場合は、討論開始前にテーマについて個々に考察する時間が10分程度用意されます。
  • 討論の進行に当たっては、司会者等の役割を決めないことが多いです(グループの自然な流れに任せる)。※中には試験官が司会者という場合もあり。
  • 制限時間内に「必ず結論を出す」場合と「必ずしも結論まで出す必要はない」場合に分かれます。
  • 試験官は基本的には、討論には参加しません。

⇒ここまでのところで、「集団討論」のアウトラインがお分かりいただけたと思います。

ノープランで初めて臨んだ高校生のよくある体験談では、
「年齢、性別も違う見ず知らずの5人のグループになり、おまけにどんどん発言する人が数名いて、ただただそれに圧倒された30分でした。皆さん、賢く見えて、話し方、表情も積極的で、自分の経験の無さ、知識の無さに後悔するばかりです」といったところです。
見ず知らずの人達と・・・・これが簡単ではないこと。第1の対策ポイントです。

「集団討論」のテーマは?

 東京アカデミーでは、旭川校から鹿児島校まで全国32校の受講生からの受験レポート、および、情報開示請求、人事担当者様への聞き取りなどにより、実際に出題された「集団討論」のテーマをデータとして蓄積しています。
 その一部を、本HPを毎回ご覧いただいている進路指導部先生方に向けて公開いたします。

実際に出題された「集団討論」のテーマ例
※題意が読み取れるように聞き取りした内容を再現していますので、実際のものと一言一句同じとは限りません。

  • 18歳に選挙権を引き下げることで「主権者教育」はどのようにしていくか
  • 増加する自転車事故を減らすために社会全体で取り組むこと
  • 高校で海外に修学旅行へ行くことの是非について
  • 国体開催に向けて、性別・年齢・障害の有無を問わず、誰もがスポーツを楽しむことのできる環境づくりをするための具体的な政策について
  • 絶滅した、あるいは絶滅しそうな生物(メダカ、ウシガエル、ホタル等)が減少した背景と対策について
  • 救急車の有料化(救急車を要請した場合の有料化)について賛否を討論しなさい
  • 障害者が暮らしやすい街にするために何をすべきか
  • 観光客増加のために効果的な方策について
  • 〇〇市には水や緑など豊かな資源が多くあるが、市外や県外の方々にも訪れてもらえるような〇〇市にするために、これらの資源を有効活用して、どのようなことを実施するか。グループで話し合い、意見をまとめなさい
  • 社会人に必要なマナーを話し合い、優先順位の高い順に、1位~3位を決めなさい
  • 女性職員が活躍する市役所を作るためにはどうしたらよいか考えなさい
  • ふるさと納税制度について、高額寄付等に対し、割高な返礼金を行うことについて、今年の4月に自粛するよう国から要請があったが、昨今のふるさと納税制度のメリット・デメリットについて、十分に討論し、意見をまとめよ
  • 〇〇市を活性化するために公共施設をひとつつくるなら何か
  • 消費税が10%に上がることの是非について

ちなみに、上記のテーマは、静岡県、滋賀県、福岡県、神戸市、岡山市、広島市、熊本市、石狩市、青森市、小牧市、松山市、小城市で使われた実際のものです。

⇒最近のテーマを順不同で掲載しましたが、何となく、そのパターンにお気づきと推察します。1つは「今の世の中で議論、協議されている社会問題、時事テーマ等」そして、もう1つは、「試験先自治体の特徴を生かした活性化策、アイデアについて」、これらが、2大テーマと言えます。

ノープランで初めて臨んだ高校生のよくある体験談では、
「テーマに対する具体的な知識を持った人が数名いて、高齢化社会、人口減少、男女共同参画社会、国際競争力、子育て支援などのキーワードが飛び交い、事前準備の重要性を思い知らされた」といったところです。
時事問題に対する予備知識・・・これが簡単ではないこと。第2の対策ポイントです。

「集団討論」の評価ポイントは?

 東京アカデミーでは、筆記試験対策や面接対策だけでなく、「集団討論」の時事対策講義や実践練習会など、「集団討論」に対する備えも万全です。実践練習会では、それぞれのキャラクター勝負で臨むのではなく、評価ポイントを意識して、主体的に練習を行っています。評価ポイント知った上で、臨むことが大切です。
では、その評価ポイントとは

  1. 協調性(社会性)
  2. 指導力(リーダーシップ)
  3. 貢献度

この3点が大きな項目です。

⇒つまり、発言回数が多ければ多いほど高い評価になるのではなく、グループ全員が同じように発言し討論に参加するよう、協調する姿勢の評価。そして、司会者を務めたり、進行がスムーズになるよう働きかけたり、発言できていない人を誘導したりする指導的役割の評価。また、適切な知識を持って、論理的に討論に参加したかという貢献度の評価。このバランスにより合否が分かれます。

ノープランで初めて臨んだ高校生のよくある体験談では、
「自分が何をどのように発言するかにばかり気を取られて、手元のメモを見ているうちに討論の流れに入れず、おまけに、発言した人の意見へ返答することもできず、まったく評価項目にある役割を果たせなかった」といったところです。
評価ポイントを理解・・・これが第3の対策ポイントです。

今回の記事のテーマ・・・聞き上手が合格のコツ・・・そのココロは

 前述の通り、対策ポイントは大きく3点、「見ず知らずの人達」と「時事問題に対する予備知識」を持って、「評価ポイントを理解」しながら、できるかどうかです。
細かい枝葉の対策を列挙するなら、知らない人達と何度も討論の練習をしましょう。予想される時事テーマに関して研究し知識を蓄えておきましょう。協調性やリーダーシップを身につけるよう努力しましょう。など、やるべきことは山のようにあります。しかし、高校の授業、単位取得、クラブ活動、友人・家族との交流、そして、公務員試験の筆記対策など、多くの必要な勉強、経験をすべき高校生が、「集団討論」の対策にたくさんの時間を割くことはできません。
そこで、先生方には、まず「聞き上手になれ」とご指導されることをお勧めします。

  1. 「集団討論」の試験時間は平均すると30分
  2. グループの平均人数は5人
  3. 一人当たり平均発言時間は、30分÷5人=たった6分
  4. 逆に、他者の発言を聞いている時間は、30分‐6分=24分

この試験時間30分の80%にも及ぶ24分間の過ごし方、見せ方、態度が、実は評価を大きく左右することは、簡単に想像できるところです。
高校内で何度か討論の練習をする際、この24分間をいかに過ごすか、そこのご指導に力を注ぐと、

  1. 発言している人にしっかりと顔を向け、大きくうなずきながら聞く態度を意識する
  2. 発言している人に対し、「私も同じ意見です」「その意見には賛成です」「素晴らしい意見だと思います」など、発言した人を褒め、やる気にさせるような返答を実践する
  3. 他者が発言した内容に対し、「私も同じ意見ですが、少し意見を付け足すと・・・・となります」「Aさんの発言について、少し伺いたいところがあります・・・」「Aさんの意見と少し違うところがあります。それは・・・です」など、他者の発言に対し、追加、修正、反論する形で意見を返すことを実践する。

たった、この3点を意識しながら、何度か練習するだけで、討論に積極的に参加している、他者の意見を誰よりもよく聞いている、きちんと返答できている、といった、協調性、指導力、貢献度の評価をグングン上昇させる方法が身についていきます。
 また、他者の意見を誰よりもよく聞く練習をすることで、自分が知らなかった知識、言葉、表現方法が分かり、分かるからこそ、それを次回は取り入れようとできます。この積み重ねが、本番での評価を一変させることに繋がります。

東京アカデミーでは、「集団討論」の対策として、以下を重視しています。
☆見ず知らずの人達と討論する経験
 東京アカデミー通学講座には、高校生から社会人まで幅広い年齢層が通っています。志望先も国家公務員、地方公務員、警察官、消防官、資格職などさまざまです。実際の練習会では、年齢や志望先が偏らないよう、様々なグループ分けにより、見ず知らずの人達との討論機会を増やしています。また、校舎によっては、大卒公務員クラスの受講生と練習する機会を設けるなど、見ず知らずの人達と練習する環境が用意されています。

☆時事問題に対する予備知識
 東京アカデミーでは、時事問題を解説した教材を複数作成し、それらをさらに深めるために、具体的な事例や解説を加えた時事対策講義も展開しています。また、地方自治体で行われている施策の中身を研究したり、解説したりする講義を実施している校舎もあります。これら一連のカリキュラムの中で、時事問題に対する意識を高め、基礎知識を養い、自主的に、ネット検索、ニュース番組、新聞などで調べようという実行力を付けさせています。

☆評価ポイントを理解

  • 「誰よりも他者の話を聞くこと」→聞きながら手元のメモに記録させたりもします。こうなると試験官は、この受験生は熱心に他者の意見を聞いていると評価します。
  • 「他者が話したくなるように感じさせる聞き方」→うなずき方を繰り返し練習します。本当に賛同、共感していると思えるうなずき方。合い間に、「そうですね」「よく分かります」「賛成です」などの相槌、短い返答を入れる練習もします。試験官は、聞き方がうまいから、積極的に発言できていると、聞いている方をより評価します。
  • 「他者の意見には必ず返答する」→他者が意見を述べ終えたら、それに続いて、賛成している理由、共感できたところ、追加の意見、反対部分の意見を返すように繰り返し練習します。
  • 「司会者の練習をしておく」→交替で司会者となり、討論を進める練習を行います。

地域の高校生を応援します       公務員試験合格対策 東京アカデミー

 今回のテーマである、「聞き上手が合格のコツ」・・・お分かり頂けたと思います。もちろんこれだけに頼るのではなく、日ごろから社会問題への関心を持たせ、公務員として必要な知識や常識を養うことも外せません。
 しかし、東京アカデミーは創立50年、この間の受講生指導の経験とその合否結果から、
「集団討論」の合否は、聞く態度、聞き上手で大きく左右されることを知っています。ぜひ、高校内でのご指導にお役立てください。そして、機会がございましたら、弊社の講習会、「集団討論」練習会を生徒様にもご紹介くださいますよう、お願い申し上げます。

・次回の記事は、「ちいきのこうこうせいをおうえんします」の「の」にちなんで「のどから手が出るほど欲しい。面接質問事例集」を掲載いたします。公務員予備校ならではの情報量から近年の質問事例をご紹介いたします。生徒様へのご指導にお役立て下さい。