第110回看護師国家試験の試験日が令和3年2月14日(日)、合格発表が令和3年3月26日(金)午後2時と厚生労働省より発表がありました。国試一発合格に向け、過去の実施状況や先輩受験者の生の声を活かして準備・点検をここでは行います。年に1度しか実施されない看護師国家試験、「最初と最後が肝心」という言葉にもあるように、「試験に向けての準備」から「試験当日気を付けること」をまとめました。
また、厚生労働省より、国家試験における新型コロナウイルス感染症対策が発表されていますので内容をしっかり確認しておきましょう。特に、試験当日会場入口での検温実施方法や発熱(37.5度以上)、咳等の症状を認めた際の対応につき細かく書かれているので必ず目を通しておきましょう。
詳しくは、厚生労働省ホームページでご確認を。
出題基準も改定されて3回目の試験で、出題も前年並みの水準となり一般問題+状況設定問題の合格基準や合格率も前回とほぼ同レベルとなりました。110回も同様な水準になると予測されますが、106回の時のように合格基準、合格率ともに大幅に下がることも想定して気を引き締めて試験勉強に取り組みましょう。前回大幅に低下した「既卒者」の合格率は37.4%と大きく改善はしましたが、相変わらず厳しい合格率には変わりないので“新卒”での合格をしっかり目指しましょう。
受験者数は増加傾向に戻り6万5千人を超えてきました。合格率も、ここ10年88.5%~91.8%と90%を挟んで±2%弱の狭い範囲で推移しています。過去20年を見ましても第90回の84.1%が最低で第89回の96.4%が最高です。合格率は医療技術の進歩や看護師需要の増減などタイムリーに世情を反映する部分があります。特に110回国家試験は新型コロナウイルス感染の影響が反映してくると思われますので医療の動向には注意を払っておきましょう。
★受験者数・合格者数・合格率の推移★
試験日が令和3年2月14日(日)と発表され試験日以外にも「試験地」、「受験願書」の配布・受付等はしっかり確認しておきましょう。試験会場が前回から変更となる場合もあるので移動手段・所要時間もあわせて確認しておきましょう。また、試験室の換気のため窓の開放を行う時間帯があるため暖かい服装等、防寒対策についても準備をしておきましょう。
★第110回看護師国家試験
★平常心で試験をむかえるために
看護師国家試験は、入試のように多くの志願者から選抜する試験ではなく、厚生労働省が定めた合格基準点を満たせば合格できる試験です。
合格基準点、いわゆる“ボーダーライン”は、
①『必修問題』と
②『一般問題+状況設定問題』に設けられており
①と②各々の“ボーダーライン”を満たせば国家試験に合格となります。
★第110回看護師国家試験実施概要
必修問題は合格基準点を8割(合計50問中40問以上正答)と厚生労働省が定めています。合計50問中40問(40点)以上正答する必要があります。
一方、一般問題+状況設定問題の合格基準点は、毎年変動し、過去10年の得点率が最高で66.8%、最低で57.2%と約10ポイントの差があり、確実に合格を目指すなら得点率70%超えを目標とし受験計画をたてることをお勧めします。
★各問題の配点について
★一般問題+状況設定問題の合格基準および得点率の推移★
学習環境が整った「新卒者」の合格率は94~97%と非常に高いのですが、「既卒者」になると35~45%と新卒者に比べ半分以下の合格率に落ち込みます。特に108回は30%を割り込む低下ぶりでした。仕事をしながら試験に臨むなど、学習環境が著しく悪化することが主な要因として考えられます。是非とも仲間が揃い、勉強しやすい学習環境等、「新卒」の時に一発合格するよう準備を整えましょう。
★既卒者・新卒者の合格状況★
出題基準改定後の一般問題+状況設定問題の合格基準と合格率の動きを表にまとめました。過去2回(103回、107回)は、改定時に実施された試験のいずれも前年に比べ、出題基準・合格率とも高くなるのですが、それ以後の試験では、ほぼ低下傾向です。合格基準が大きく上がれば得点率も上昇するので、問題が易しくなったと推測されます(4.に掲示の表参照)。合格率については2.を参照してください。
★出題基準改定と合格基準との相関関係★