第113回看護師国家試験が、2024年2月11日(日)に実施されると厚生労働省より発表がありました。
国家試験までの約半年あまり、過去問中心にコツコツ勉強をすれば合格が難しい試験ではありません。またここ3年間合格率が90%を超え高い状態が続いています。とは言え、なめてかかると必修問題の足切りにかかったり思わぬ落とし穴に足元をすくわれるので早めの準備を心掛けたいところです。
では、国試合格にどのように対応していけば良いのか過去の実施状況や先輩受験者の生の声を交えて話を進めたいと思います。ご存じの通り看護師国家試験は年1回だけの実施です。試験間近になって慌てないよう試験の準備から試験当日気を付けることをまとめてみました。
一般問題+状況設定問題の合格基準は152点と前回より15点下がり、合格率も0.5ポイント下がりました。113回も合格率90%前後になると予測されますが、出題基準改正後2回目の試験となりますので気を引き締めて試験勉強に取り組みましょう。また「既卒者」の合格率は36.5%と前回よりさらに下がっています。相変わらず既卒者には厳しい状況ですので“新卒”での合格を目指しましょう。
★第113回看護師国家試験
受験者数はここ数年6万5千人あたりとなっています。合格率は第108回から4回続けて上昇していましたが第112回では下がりました。第113回は出題基準改定後2回目の試験になります。前述の前回改定時の合格率急落の場合も想定してしっかり対策をたてて試験に臨んでくださいね。合格率は医療技術の進歩や看護師需要の増減などタイムリーに世情を反映する部分があります。いずれにせよ最新の医療動向には常に注意を払っておきましょう。
★受験者数・合格者数・合格率の推移★
112回試験は令和5年2月12日(日)に実施されました。試験日以外にも「試験地」、「受験願書」の配布・受付等は前もって確認しておきましょう。試験会場が前回から変更となる場合もあるので移動手段・所要時間もあわせて確認しておきましょう。感染防止のため試験室の換気で窓の開放が行われる可能性もあるのでので暖かい服装等、防寒対策の準備も怠りなく。
★平常心で試験をむかえるために
看護師国家試験は、入試のように多くの志願者から選抜する試験ではなく、厚生労働省が定めた合格基準点を満たせば合格できる試験です。
合格基準点、いわゆる“ボーダーライン”は、
①『必修問題』と
②『一般問題+状況設定問題』に設けられており
①と②各々の“ボーダーライン”を満たせば国家試験に合格となります。
必修問題は合格基準点を8割(合計50問中40問以上正答)と厚生労働省が定めています。合計50問中40問(40点)以上正答する必要があります。基本的な問題中心の出題ですが前もって基準点が決められているので、模試などで常時40点以上がとれるよう日々の勉強を大事にしましょう。
一方、一般問題+状況設定問題の合格基準点は、毎年変動し、過去10年の得点率が最高で66.8%、最低で57.2%と約10ポイントの差があり、確実に合格を目指すなら得点率70%超えを目標とし受験計画をたてることをお勧めします。
★各問題の配点について
★一般問題+状況設定問題の合格基準および得点率の推移★
学習環境が整った「新卒者」の合格率は94~97%と非常に高いのですが、「既卒者」になると35~45%と新卒者に比べ半分以下の合格率に落ち込みます(だいたい3人に1人強の合格状況)。特に108回は30%を割り込む低下ぶりでした。仕事をしながら試験に臨むなど、学習環境が著しく悪化することが主な要因として考えられます。是非とも仲間が揃い、勉強しやすい学習環境等、「新卒」の時に一発合格するよう準備を整えましょう。
★既卒者・新卒者の合格状況★
直近過去2回(103回、107回)の出題基準改定時の試験では改定前より合格率が上昇していました。しかし112回はすでに4回連続で合格率が上昇していますので過去の事例は参考にならないかもしれません。どちらかと言えば、合格率は新型コロナ感染状況に影響を受けていると言っても過言ではないのではと思われます。
★出題基準改定と合格基準との相関関係★
過去15年分の看護師国家試験データ
実施回 | 西暦 (年) |
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準 | 一般+状況 得点率 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 新卒 | 既卒 | 必修 | 一般・状況 | |||||
97 | 2008 | 51,313 | 46,342 | 90.3% | 94.6% | 47.1% | 24点以上/30点 | 180点以上/270点 | 66.7% |
98 | 2009 | 50,906 | 45,784 | 89.9% | 94.4% | 47.4% | 24点以上/30点 | 174点以上/270点 | 64.4% |
99 | 2010 | 52,883 | 47,340 | 89.5% | 93.9% | 46.6% | 40点以上/50点 | 151点以上/250点 | 60.4% |
100 | 2011 | 54,138 | 49,688 | 91.8% | 96.4% | 51.6% | 40点以上/50点 | 163点以上/250点 | 65.2% |
101 | 2012 | 53,702 | 48,400 | 90.1% | 95.1% | 33.7% | 40点以上/50点 | 157点以上/247点 | 66.3% |
102 | 2013 | 56,530 | 50,244 | 88.8% | 94.1% | 35.7% | 40点以上/50点 | 160点以上/250点 | 64.0% |
103 | 2014 | 59,725 | 53,495 | 89.6% | 95.2% | 42.7% | 40点以上/50点 | 167点以上/250点 | 66.8% |
104 | 2015 | 60,947 | 54,871 | 90.0% | 95.5% | 39.2% | 40点以上/50点 | 159点以上/248点 | 64.1% |
105 | 2016 | 62,154 | 55,585 | 89.4% | 94.9% | 35.5% | 40点以上/49点 | 151点以上/247点 | 61.1% |
106 | 2017 | 62,534 | 55,367 | 88.5% | 94.3% | 35.6% | 40点以上/50点 | 142点以上/248点 | 57.2% |
107 | 2018 | 64,488 | 58,682 | 91.0% | 96.3% | 44.5% | 39点以上/48点 | 154点以上/247点 | 62.3% |
108 | 2019 | 63,603 | 56,767 | 89.0% | 94.7% | 29.3% | 40点以上/49点 | 155点以上/250点 | 62.0% |
109 | 2020 | 65,568 | 58,513 | 89.2% | 94.7% | 37.4% | 40点以上/50点 | 155点以上/250点 | 62.0% |
110 | 2021 | 66,124 | 59,769 | 90.4% | 95.4% | 44.4% | 40点以上/50点 | 159点以上/250点 | 63.6% |
111 | 2022 | 65,025 | 59,344 | 91.3% | 96.5% | 38.9% | 40点以上/50点* | 167点以上/250点 | 66.8% |
112 | 2023 | 64,051 | 58,152 | 90.8% | 95.5% | 36.5% | 40点以上/50点 | 152点以上/249点 | 61.0% |