地方公務員なら東京アカデミー Part.3【構成で左右される論作文のコツ】


構成で左右される論作文のコツ

論作文試験の意義

 論作文試験は、都道府県職員や市役所などの地方公務員試験を始め、ほとんどの高校卒業程度公務員採用試験で実施されています。
 そもそもなぜ論作文試験を実施するのでしょうか。
 公務員試験は就職試験である為、論作文は「人間性」「性格」「特性」「志望意欲」を見抜く材料として、実施されています。受験生の人物を的確に把握する為の材料として使用されます。ですから、論作文を書く上での決まり、ルールを逸脱しないこと、漢字や仮名、熟語を間違えないこと、字数制限の9割を目途にまとめることなど、体裁も大事ながら、最も大切なことは、自分の特性、意欲、熱意、やる気が伝わるかどうかにあります。
 つまり、読書感想文コンクールに出す論作文を書くのではなく、面接試験でアピールする内容を決められた字数で、活字として表現すると考えてください。
 このような採用者側の意図を知っておかないことには、合格する為の文章を書くことはできません。
 そこで今回は、就職試験としての論作文の対策のコツにスポットをあててみたいと思います。

実際のテーマを見て、パニックにならない確かなる準備

☆ときとして予想もしないテーマが出ることを知っておく・・・この危機管理が合否を大きく左右する
 筆記試験では、問題作成を請け負う機関からの統一的な供給もあり、出題科目、出題数、出題傾向に、ある程度の統一性があります。この基本的な情報を認識していれば、勉強方法を大きく外すということはありません。
 しかし、論作文については、自治体や地域ごとで独自に決定しており、そのテーマもさまざまです。
 「過去にどのようなテーマが出題されているか。その情報を有しているか。そして、それらについて、自分が書くとしたらどのような構成にするのか。そのアウトラインだけでも検討しているか。合格には、こういった備えが不可欠です」
 例えば、第一志望の試験当日、次のようなテーマの出題があったら、備えのない受験生はどうなってしまうでしょうか。次のテーマはある自治体の試験で実際に出題されたものです。

 実際のテーマ:「箱」と聞いて思い浮かぶこと。
 (武蔵野市 60分 800字~1,000文字)

 試験当日にこのテーマが出されると、多くの受験生がパニックに近い状態に陥るかもしれません。しかし、大事なことは、与えられたテーマを材料として、①いかにして自分の意欲、熱意をアピールするか、②採用後、どのような考えをもって活躍できるか、その再現性をアピールすること、このポイントが分かっているだけでも、発想が変わってくると思います。また、そういった備えを普段から準備しておくことが、合否を分けることになるとご理解ください。
 上記の「箱」というテーマであれば、次のようないくつかの展開が想定できます。

  • 現代の物流の発展に大きな役割を果たした、安価で丈夫で軽量な、「モノ」を運ぶ「箱」である「段ボール」の発明、普及を取り上げ、自治体のこれからの産業発展とそれに関わる採用後の自らの意欲をアピールする内容にする。
  • 「宝箱」を想起し、自分の熱意が溢れ出てくるようなやる気、何事にもチャレンジしていく向上心を「宝箱」に見立て、どんな仕事、どんな分野に対しても、諦めることなく取り組むことを表現する。
  • 「箱物行政」というマイナスイメージの言葉を提起し、市民に対して、箱物行政と揶揄されないような、行政と市民、企業が一体となった施策を進めることができるように貢献したいといった構成にする。
  • 「箱庭」を取り上げ、市内の公園、広場、街並み、あらゆるところを素敵な箱庭のように、作り上げ、市民が憩えるような住みやすい街づくりを推進したいという、意欲を盛り込んだ構成にする。

このようなトレーニングを受験までに積んでおくことが、合格に向けての確かなる受験対策となってきます。

そこで、全国の公務員試験で実際に出題されたテーマ例を以下にお届けします。

本試験で実際に出題された過去のテーマを一挙公開

☆東京アカデミーは、毎年、全国で実施される論作文の出題テーマを、ほぼすべての自治体に渡って収集、分析しています。これだけの情報量を有する予備校は、他にはありません。ここでは、それらのうちの一部を公開いたします。高等学校の先生におかれましては、公務員をご志望されている生徒様の状況に合わせて、以下のテーマから、適宜、取り出していただき、ご指導の一助にしていただけますようお願い申し上げます。

H23からH27にかけて、全国の公務員試験で実際に出題された論作文テーマ例
⇒東京アカデミーは全国に32校ございます。その数にちなんで32テーマを掲載いたします。
 あえて分類しておりませんので、一つ一つ、イメージしながら読み進めていただくと、その多種性がお分かり頂けると推察いたします。

① 今までの人生で目標にどう取り組み、どのように努力したかを述べなさい。
② 失敗から学んだこと
③ あなたが考える理想の市役所職員像とはどのようなものか述べなさい。
④ あなたは「住みやすいまちづくり」のためにはどうしたらよいと考えるか。
⑤ うれしかった出来事、感動した出来事について述べよ。
⑥ ボランティア活動について
⑦ あなたの目標とする10年後の自分について
⑧ パソコン環境が普及することのメリットとデメリット
⑨ 人とのコミュニケーションにおいて大切なこと
⑩ 学校生活で大人として成長できた事柄をあげて、それを消防士としてどう活かしていくか。
⑪ 新幹線開業による〇〇市の展望について
⑫ あなたが町村長になったらどのようなことをしていきたいか。
⑬ 挫折をどう乗り越えたか
⑭ 最近読んだ新聞で感じたこと。
⑮ あなたはあるクラブのリーダーです。週に1度全員で部室の掃除を行う決まりだが、現在特定の人しか行っていない。
 1.この現状の原因と改善のための効果的な対策を述べよ。
 2.掃除に来ないA君に来てもらうため、何と声をかけるか。
⑯ 自由と責任
⑰ 地域の奉仕者
⑱ 人との関わりの中で学んだこと
⑲ 私たちの生活から排出される様々な廃棄物の中には、資源になり得るものが多くあります。リサイクルに協力するよう行政が市民に対してどのように動機づけをすることがよいか、その方策についてあなたの考えを述べなさい。
⑳ 理想の公務員像とそのためにすべきこと。
㉑ 安全な住みよいまちの実現のために、どのような取り組みを行うべきか。
㉒ 自分の性格とストレス解消法について
㉓ 公務員としての義務と与えられる権利について述べよ。
㉔ 「住み続けたいと思うまちとは」 その理由、具体例
㉕ 東京オリンピック開催決定を機に「おもてなし」という言葉をよく聞くようになったが、市役所に来た市民に対する職員としての「おもてなし」とはどのようなことだと考えるか。
㉖ 「働く」とはどういう意味か。自分が市職員になったらどのようなことを心掛けて働きたいか。
㉗ 現在職場においてチームワークやコミュニケーションが必要となっているが、あなた自身心掛けていることを自分の体験したことに基づいて書きなさい。
㉘ 私のやりたいこと
㉙ 市民参加ができる地域づくりに対してあなたが思うこと
㉚ 〇〇市のスローガンについて、これを実現するためにはどのようなことをすべきか、具体例を用いて論ぜよ。
㉛ 「笑い」とは何か。あなたの考えを述べよ。
㉜ マイナンバー制度についてあなたの意見を述べよ。

「地方公務員」と「国家公務員」の論作文出題傾向の違い
 高卒程度公務員の論作文テーマでは、「地方公務員」と「国家公務員」で、少し異なる傾向があります。
 地方公務員では、課題の内容、字数制限ともに幅広く、ある程度、志望先自治体の過去の出題テーマ傾向を掴んだ、事前の対策が必要と言えます。
 ①その自治体の施策、特徴、魅力に関する課題
 ②時事問題に関する課題
 ③これまでの経験、取組に関する課題
 ④公務員、社会人としての心構え等に関する課題
 ⑤抽象題、その他
 ※字数制限では、概ね600~1800文字と幅広く、これも事前のリサーチが不可欠です。

 一方、国家公務員の課題としては、次の2つが主なところであり、字数制限についても、国家一般職のように600字以内と決まっている試験もありますが、横線マス目なしの用紙にフリーで書かせる試験も多くあります。よって、狙いを定めた深い対策をしている受験生も多く、準備不足で臨むのは避けたいところです。
 ①公務員、社会人としての心構え等に関する課題
 ②これまでの経験、取組に関する課題
 一般的には国家公務員の方が難しい課題が課せられる印象がありますが、実際には地方公務員の方が幅広い視点からの出題テーマとなり、ご準備が必要になりますのでご指導の際にお伝え願います。

地方公務員なら東京アカデミー

 近年、メールや携帯電話の普及により、人々の「書く」作業は減りつつあると言われています。
 このことは当然、高校生にもあてはまります。「書く」作業の減少は、漢字の読み書きが苦手、語彙力の低下など いわゆる国語力の低下にも繋がります。
 公務員に限ったことではありませんが、社会人として国語力は、必要不可欠なものです。国語力を高める手段 としては様々ありますが、やはり「書く」時間を増やすことが大切です。高校生の皆様へは、日頃から「書く」、 「書く時にはわかり易い構成で文章を作成する」ことが、論作文試験の能力を高める一つの手段であることをご指導頂ければ幸いです。
 今回特集した「論作文のコツ」以外にも、公務員試験には様々なテクニックが必要となり、当社では日々この受験テクニックを指導しております。
 公務員試験を熟知した東京アカデミーが地方公務員になりたい生徒さんの公務員になるためのサポートを全力でさせていただきます。東京アカデミーで共に「いい国つくろう」!!

・次回の記事は、「地方公務員なら東京アカデミー(ちほうこうむいんならとうきょうあかでみー)」の「うむ」 にちなんで「有無を言わせないための面接回答のコツ」を掲載いたします。「面接官も納得」の回答例を一部公開 しますので、生徒様へのご指導にお役立て下さい。