文部科学省より発表された教員採用試験一次選考の「共同実施」とは?
2027年以降の受験を予定している皆様は試験の概要をしっかり把握して、新しい試験対策に向けて準備を行いましょう!
第一次選考の「共同実施」とは?
教員採用試験の共同実施は、これまで各自治体が独自に行ってきた第一次選考の事務負担を軽減し、選考の質を向上させることを目的とした新しい仕組みです。
51自治体が
「共通問題」を活用予定
51の自治体で構成される自治体協議会により、令和9年度から「共通問題配付方式」での実施が計画されています。第三者機関が作成した共通問題を各自治体が活用し、試験自体は従来通 り各教育委員会が運営します。

各自治体による
「独自アレンジ」も可能
共通問題をベースにしつつも、自治体独自の問題の追加や改編が可能であり、各自治体の特性を反映できるようになっています。

事務負担を減らし
「人物重視」へ
各自治体の問題作成の負担を減らすことで、第二次選考での「人物重視」の丁寧な選考や、学校現場への支援に注力できる環境を整えることを目的としています。

協議会へ参画している51自治体(令和8年4月時点)
北海道、青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、島根県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、 佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
札幌市、仙台市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、北九州市、福岡市、熊本市、大阪府豊能地区
共通問題化で何が変わる?
共通問題の導入に伴い、試験日程や出題構成が整理されます。
試験日程(予定)
令和9 年度の場合
5月・6月・7月の第2土曜日
を基本とした
3日程で実施 されます。
試験科目の再編
【教養試験】
教職教養(30問)と一般教養(10問)を統合し60分で実施。
【教科専門試験】
60分(25問)で実施、中高の専門試験は原則として共通問題を使用、一部教科については共同問題+選択問題の形式。
コアタイムの導入
問題漏洩を防ぐため、自治体間で共通して試験を実施する「コアタイム」が設定されています。この時間帯を守れば、試験開始時刻や時間の調整は自治体ごとに可能となっています。
「思考力重視」の新傾向
共同実施の大きな目的の一つは、試験問題を「単純な知識再生型」から「教師として必要な資質・能力を問う実践型」へ向上させることです。
文部科学省より提示されたモデル問題では、授業中の教師と生徒のやり取りや、日常生活での指導場面など、入職後に直面しうる具体的な場面設定に基づいた問題が出題されています。
また、国語の試験で図表(非連続型テキスト)を読み解き、数学的な関連性の中で読解力を問うなど、他教科との連関を意識した問題も含まれています。
知識の有無だけでなく、提示された情報から判断し解決策を導き出す「思考力・判断力・表現力等」がより効果的に評価されることが予想されます。
<例>
専門科目 理科(中学校・高等学校共通)

出典:文部科学省「教員採用選考に係る第一次選考の共同実施について」( 令和 8年4月30日)
これからの教員採用試験に必要な対策とは
新制度のもとでは、従来の暗記中心の学習から一歩踏み込んだ対策が求められます。
教養試験や専門試験は共通化されるため、標準的な知識を確実に定着させることが不可欠です。
また、中高教科専門試験は高校レベルの専門性が確認できる問題を使用するとされています。

モデル問題に見られるような、生徒への問いかけや実験手順の説明など、実際の指導場面を
イメージしながら知識を整理する習慣をつけましょう。
加えて、図表やグラフなどの「非連続型テキスト」から必要な情報を読み取り、論理的に考
える力を養う必要があります。

自治体にとっては、第一次選考の負担が減る分、第二次選考をより重視する傾向になると考え
られます。面接や実技試験、模擬授業など、自身の教育観や適性を伝えるための準備を早めに
進めることが重要です。また、共通問題をベースにしつつも、独自問題の追加や試験時間の改
編を行う自治体があるため、各自治体の募集要項を細かく確認することが必須となります。
