第115回看護師国家試験について
第114回の合格率は2年振りに90%台の90.1％とわずかに90％を超えました。ここ10年の合格率を見ると、90％を挟んで推移してますのでしっかりと計画をたててコツコツ勉強をすれば合格ラインに届く試験ではないかと思われます。看護師国家試験は合格基準さえクリアすれば合格する試験です。格好よく満点合格といきたいところですが、「合格基準」を確実にクリアする勉強法を身につけ国家試験にどう臨めばよいかをこのページでは考えていきたいと思います。
まず最初に、第115回国家試験の日時等を確認しましょう。
★第115回看護師国家試験
- 試験実施日⇒令和8年（2026年）2月15日(日）
- 合格発表日⇒令和8年（2026年）3月24日(火)午後2時
- 受験願書の配布⇒令和7年10月中旬以降
- 提出期間⇒郵送の場合：令和7年11月7日(金)から同年11月28日(金)
- 受験票の交付⇒令和8年1月中旬発送予定
合格率、受験状況
受験者数はここ数年6万人〜6万5千人あたりです。110回をピークにこの5年は受験数が減少しています。合格率は過去10年間で最低の前回より2.3ポイント上昇し90.1%となりました。これで過去10年間の合格率90％台対80％台は5：5の半々となりました。 第114回の出題もいくつか新しいキーワードを含んだ問題も見られましたが概ね基本的な知識をもとに教科書や問題集に取り組む勉強をすすめていきましょう。
★受験者数・合格者数・合格率の推移★
平常心で試験に臨むための準備
115回試験は令和8年2月15日(日)に実施されます。115回国試に向けて、8月初旬に厚生労働省より発表される試験日、試験地、受験願書の配布・受付等はしっかり確認しておきましょう。試験会場が前回から変更となる場合もあるので移動手段・所要時間もあわせて確認しておきましょう。また一番寒い時期にもあたりますので暖かい服装等、防寒対策の準備も怠りなく。
これだけチェック
★平常心で試験をむかえるために
- 集合時間(余裕を持って出かける)
- 乗り物の時刻表(平日・休日で異なる場合あり)
- 持ち物(受験票、筆記用具、マスク、弁当、水筒など)
- 昼休憩時間の過ごし方(時間を持て余さない)
- 携帯電話電源の確認(不正防止と周りへの配慮)
- トイレ･仮設トイレの場所(順番待ちを考えて)
- 自己採点用に問題冊子に解答をチェック
- 寒さ・感染症対策グッズ(手袋、マフラー、カイロなど)
合格基準を満たせば合格
看護師国家試験は、入試のように多くの志願者から選抜する試験ではなく、厚生労働省が定めた合格基準点を満たせば合格できる試験です。
合格基準点、いわゆる“ボーダーライン”は、
①『必修問題』と
②『一般問題+状況設定問題』に設けられており
①と②各々の“ボーダーライン”を満たせば国家試験に合格となります。
必修問題は合格基準点を8割(合計50問中40問以上正答)と厚生労働省が定めています。合計50問中40問(40点)以上正答する必要があります。基本的な問題中心の出題ですが前もって基準点が決められているので、模試などで常時40点以上がとれるよう日々の勉強を大事にしましょう。 一方、一般問題+状況設定問題の合格基準点は、毎年変動し、過去10年の得点率が最高で66.8%、最低で59.2%となっており、確実に合格を目指すなら得点率70％超えを目標とし受験計画をたてることをお勧めします。
これだけチェック
★各問題の配点について
- 必修問題：1問1点で50点満点(全50問)
- 一般問題：1問1点で130点満点(全130問)
- 状況設定問題：1問2点で120点満点(全60問)
★一般問題+状況設定問題の合格基準および得点率の推移★
新卒一発合格を狙おう
学習環境が整った「新卒者」の合格率は93～97％と非常に高いのですが、「既卒者」になると29～45％と新卒者に比べ半分以下の合格率に落ち込みます（だいたい3人に1人強の合格状況）。特に108回は30％を割り込む低さでした。第114回は大きく上昇していますが、「既卒者」は仕事をしながら試験に臨むなど、あまり良くない学習環境で試験にのぞまなければならないので、仲間が揃い、勉強しやすい学習環境が整っている「新卒」時に一発合格するよう準備を整えましょう。
★既卒者・新卒者の合格状況★
一般問題＋状況設定問題もしっかりチェック（過去の傾向から）
第114回は合格率の数値だけ見ると平穏ですが、一点気になるのことは「一般問題+状況設定問題」の合格基準の低さです。この10年で「一般問題+状況設定問題」の合格基準が150点を下回ったのは第106回だけで、第107回には一気に10点以上上昇しています（下表参照）。ですので第115回は、もしかすると「一般問題+状況設定問題」の合格基準が大きく上がる可能性も考えられますので、出題傾向や新しいキーワードには十分注意しながら学習を進めましょう。
| 実施回 | 西暦 (年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準 | 一般+状況 得点率 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | 新卒 | 既卒 | 必修 | 一般・状況 | |||||
| 97 | 2008 | 51,313 | 46,342 | 90.3% | 94.6% | 47.1% | 24点以上/30点 | 180点以上/270点 | 66.7% |
| 98 | 2009 | 50,906 | 45,784 | 89.9% | 94.4% | 47.4% | 24点以上/30点 | 174点以上/270点 | 64.4% |
| 99 | 2010 | 52,883 | 47,340 | 89.5% | 93.9% | 46.6% | 40点以上/50点 | 151点以上/250点 | 60.4% |
| 100 | 2011 | 54,138 | 49,688 | 91.8% | 96.4% | 51.6% | 40点以上/50点 | 163点以上/250点 | 65.2% |
| 101 | 2012 | 53,702 | 48,400 | 90.1% | 95.1% | 33.7% | 40点以上/50点 | 157点以上/247点 | 66.3% |
| 102 | 2013 | 56,530 | 50,244 | 88.8% | 94.1% | 35.7% | 40点以上/50点 | 160点以上/250点 | 64.0% |
| 103 | 2014 | 59,725 | 53,495 | 89.6% | 95.2% | 42.7% | 40点以上/50点 | 167点以上/250点 | 66.8% |
| 104 | 2015 | 60,947 | 54,871 | 90.0% | 95.5% | 39.2% | 40点以上/50点 | 159点以上/248点 | 64.1% |
| 105 | 2016 | 62,154 | 55,585 | 89.4% | 94.9% | 35.5% | 40点以上/49点 | 151点以上/247点 | 61.1% |
| 106 | 2017 | 62,534 | 55,367 | 88.5% | 94.3% | 35.6% | 40点以上/50点 | 142点以上/248点 | 57.2% |
| 107 | 2018 | 64,488 | 58,682 | 91.0% | 96.3% | 44.5% | 39点以上/48点 | 154点以上/247点 | 62.3% |
| 108 | 2019 | 63,603 | 56,767 | 89.0% | 94.7% | 29.3% | 40点以上/49点 | 155点以上/250点 | 62.0% |
| 109 | 2020 | 65,568 | 58,513 | 89.2% | 94.7% | 37.4% | 40点以上/50点 | 155点以上/250点 | 62.0% |
| 110 | 2021 | 66,124 | 59,769 | 90.4% | 95.4% | 44.4% | 40点以上/50点 | 159点以上/250点 | 63.6% |
| 111 | 2022 | 65,025 | 59,344 | 91.3% | 96.5% | 38..9% | 40点以上/50点* | 167点以上/250点 | 66.8% |
| 112 | 2023 | 64,051 | 58,152 | 90.8% | 95.5% | 36.5% | 40点以上/50点 | 152点以上/249点 | 61.0% |
| 113 | 2024 | 63,301 | 55,557 | 87.8% | 93.2% | 30.4% | 40点以上/49点** | 158点以上/250点 | 63.2% |
| 114 | 2025 | 63,131 | 56,906 | 90.1% | 95.9% | 44.9% | 40点以上/50点 | 148点以上/250点 | 59.2% |
*一部の問題において採点対象から除外された受験者にあっては、必修問題の得点について、40点以上/49点、39点以上/48点とする。
**一部の問題において採点対象から除外された受験者にあっては、必修問題の得点について、39点以上/48点、38点以上/47点、37点以上/46点、36点以上/45または44点、とする。
（厚生労働省の合格発表より）