公立学校の教員採用試験は、正式には「教員採用候補者選考試験(検査)」といい、様々な試験を実施して、教員の候補者として適した人材を選抜する試験です。多くの課題を抱える近年の学校教育においては優れた教師の確保が重要となっており、最近の教員採用試験では人物を重視する傾向にあります。ここでは、教員採用試験を初めて受験することを考えている方を対象に、その概要を紹介していきます。
教員採用試験では、基本的に次の5つの試験があります。これらの試験を通して、教師としてふさわしい人物を選考していきます。
試験名 | 試験の内容 |
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筆記試験 | 教養試験と専門試験が行われます。教養試験は、教職に関する知識を問う教職教養と、一般的な知識を問う一般教養からなります。また専門試験は、志望する校種・教科に関する内容について出題されます。 |
論作文試験 | 教育論や実践的な指導方法のテーマを課し、受験者の人物像や教師としての考え方・資質を評価します。 |
面接試験 | 個人面接・集団面接・集団討論・模擬授業・場面指導など様々な形態で行われます。最近は教員としての資質能力を兼ね備えているかを重視する傾向にあり、面接試験のウェートが大きくなっています。そのため、2~3回面接を行ったり、模擬授業や場面指導を取り入れたりして、受験者の人物像や教師としての資質能力を多角的に評価します。 |
実技試験 | 小学校の音楽や体育、中学校・高校の英語・音楽・家庭・保健体育・工業・商業などの教科・科目で行われます。その教科・科目に関わる基本的な技術・技能を有しているかを判断します。 |
適性検査 | 教員の資質として要求される諸々の特性について、客観的に調べるために実施されます。主に、クレペリン検査・Y-G性格検査・MMPI(ミネソタ多面人格目録)などが用いられます。 |
教員採用試験を受けるためには、まずは募集要項を入手しましょう。教員採用試験は都道府県(市)ごとに実施されるため、自分の志望する都道府県(市)の教育委員会等で入手します。例年3月下旬頃から順次、試験の概要が発表されるのと同時に募集要項が配布されます。入手方法は、主に次の通りです。
募集要項には、受験に際して様々な資格制限や規定を掲載しています。中でも、次の点はチェックしておきましょう。
願書を提出する際には、次の点に注意しましょう。
教員採用試験は、原則として1次試験と2次試験に分けられますが、1次試験のみのところもあります。
試験日・時期 | 都道府県(市) |
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6月第4 日曜日 |
北海道・札幌市 |
7月第1 土・日曜日 |
栃木県、新潟県、新潟市、岡山県・岡山市 |
7月第2 土・日曜日 |
茨城県、群馬県、埼玉県、さいたま市、千葉県・千葉市、東京都、 神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、山梨県、長野県、静岡県、 静岡市、浜松市、奈良県 |
7月第3 土・日曜日 |
石川県、富山県、福井県、岐阜県、愛知県、名古屋市、三重県、 大阪府豊能地区、島根県、広島県・広島市、山口県、香川県、福岡県、 福岡市、北九州市、佐賀県、長崎県、熊本県、熊本市、大分県、宮崎県、 鹿児島県、沖縄県 |
7月第4週 | 青森県、徳島県、愛媛県、高知県、北九州市 |
7月第4 土・日曜日 |
岩手県、宮城県・仙台市、秋田県、山形県、福島県、滋賀県、京都府、 京都市、大阪府、大阪市、堺市、兵庫県、神戸市、和歌山県、鳥取県 |
教員採用試験は、試験結果の上位者から順に「教員候補者名簿」に登載され、教員需給を調整した上で候補者名簿の中から採用内定が出されます。したがって、最終合格者数が教員需要数を上回った場合は採用されないことになります。 ただし、候補者名簿は1年間有効ですので、採用されなかった場合でも、その期間内に教員の欠員が生じたときには採用されることがあります。しかし、採用がなかった場合は、次年度の試験を再受験しなければなりません。最近では、その年度の採用試験において候補者名簿に登載されながら採用されなかった者に対して、次年度の1次試験を免除するといった特別な措置をとる都道府県(市)が増えてきています。
なお採用内定者については、市町村教育委員会や学校長による面談を行った後、本採用・赴任校が決定します。
以上が公立学校の教員採用試験に関する主な概要です。このことを踏まえて、採用までのスケジュールを考えてみましょう。
北海道・東北 | 旭川校 札幌校 函館校 青森校 仙台校 秋田校 |
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関東 | 大宮校 津田沼校 東京校 お茶の水校 池袋校 立川校 町田校 横浜校 |
東海・北陸 | 静岡校 名古屋校 金沢校 新潟校 |
関西 | 京都校 大阪校 難波校 神戸校 |
中国・四国 | 岡山校 広島校 高松校 松山校 |
九州 | 北九州校 福岡校 長崎校 大分校 熊本校 鹿児島校 |
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