今月でひよこ道場もラスト!
精神看護学では、統合失調症や気分障害(うつ病など)は超~‼頻出です。それらの疾患の特徴とともに、防衛機制や精神の機能など、表現が難しい言葉も多いですが、コツを押さえれば点を取れる分野でもあります!
なんとなくではなく、診断基準や専門用語をしっかりイメージすることが大切です。最後の仕上げをやっていきましょう♪
解答は 解答と解説 をタップ/クリックしてご覧ください。
支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対して、積極的に働きかけて情報や支援を届けることを何というか。
様々なカタカナ言葉の意味を理解しておきましょう♪
防衛機制の投影の説明として正しいのはどれか。
防衛機制はたくさんありますが、よく出題されるものから押さえていきましょう!
■防衛機制■
(1) 葛藤とは
2つ、あるいはそれ以上の欲求・衝動が、心の中で対立している状態をいう。心のもつれ、抗争ともいう。葛藤が持続すると不安が生じる。
(2) 防衛機制とは
葛藤やフラストレーションなどの心理的ストレスから自分を防衛しようとする働きで、無意識か、なかば無意識的に働くことが多い。
(3) 防衛機制の種類
抑圧 | 不安・葛藤・不快なことなどを無意識的に排除すること。 意識的に排除する場合は「抑制」と呼ばれる。 |
---|---|
否認 | 現実を認めようとせず否定した行動をとること。 (例)糖尿病の患者が「自分は糖尿病ではない」と甘いものを制限せずに食べている。 |
逃避 | 困難な状況から逃げることによって不安から逃れようとすること。 |
転換 (置き換え) |
欲求の対象を他に置き換えたり、別の表現形に転換したりすること。 (例)上司への怒りを上司には向けず部下に向ける。 |
反動形成 | 本来の感情とは逆の感情を意識化せずに誇張して示す。 (例)嫌いな人に過剰に優しく振る舞う。 |
合理化 | 自分の行動・態度に対して、他人から非難されないような理由をつける。 (例)「テストの点が悪いのは実習が忙しかったせいだ」と思う。 |
退行 | 発達段階を逆行し子どもがえりする。具体的行動としてはわがままや甘えなどがある。 |
投影 (投射) |
認めたくない自分の欠点や弱点などを、他人が持っていると考えること。 (例)自分が嫌いな相手に対して「あの人は私のことを嫌っている」と思う。 |
昇華 | 満たされない欲求や願望を社会的に受け入れられる行動様式に変える。 (例)攻撃欲求を格闘技などのスポーツで発散する。 |
同一化 (取り込み) |
他人の意見や価値観・考えなどを自分の中に無意識に取り込む。 (例)子どもが親の要求を自分の要求とみなして期待通りの振る舞いをする。 |
知性化 | 問題を知的に処理することにより、自意識の安定化をはかろうとする。 (例)難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする。 |
補償 | ある面における自己の不満を補うために、他の面で努力を払って満足を得ること。 (例)身体上の問題で異性からの評価を得られない男性が、学問に打ち込んでよい業績をあげる。 |
攻撃 | 破壊的行動や反抗的態度により欲求不満を解消する機制のこと。特定の人物を罵倒したり、物に八つ当たりしたりする場合もあれば、自傷行為などのように攻撃が自己に向けられる場合もある。 (例)長く待たされた受診の不満を医師や看護師に向けてぶつける。 |
考えが次々に湧き出しとまらない思考の状態はどれか。
思考の障害には、①思路(思考過程)、②思考内容、③思考体験(形式)の3つの障害があります。
■思考■
記憶によって頭の中に蓄えられた内容を関係づけ、新しい関係をつくる働き。その働きには、概念・判断・推理などさまざまな側面がある。
■思考の障害■
思路(思考過程)の障害
種類 | 障害の内容 | 主な疾患 |
---|---|---|
保続 | 同じ思考が繰り返され、機械的に同じことを話す | 認知症 |
観念奔逸 | 思考が次々に湧き出しとまらない | 躁状態 |
思考制止 | 思考の進行が遅くなる、考えが浮かばない | うつ病 |
思考途絶 | 思考の流れが突然途絶えてしまい、話の途中に黙りこんでしまう | 統合失調症 |
滅裂思考 | 考えがばらばらでまとまりがなく、話の内容が理解できない | |
連合弛緩 | 話が飛躍して全体的にまとまらない |
てんかん発作に対する薬物療法として使用されるのはどれか。
選択肢のどの薬も押さえておきましょう~♪
■主な抗てんかん薬■
病態 | 適応薬剤 | 副作用など |
---|---|---|
部分発作 | カルバマゼピン | 眠気、ふらつき、発疹、複視、めまい |
フェニトイン | 歯肉増殖、多毛、骨軟化症、小脳性失調、複視 | |
全般発作 | バルプロ酸ナトリウム | 肝障害、高アンモニア血症、傾眠、嘔吐、脱毛 |
フェノバルビタール | 知的活動の低下、多動、集中力低下、性格変化 |
昏迷とはどのような状態か。
精神領域で使用される言葉の意味がイメージできるようにしておきましょう。
昏迷とは、意欲がなくなり意思の表出や行動が認められない状態をいう。
■意欲とは■
意欲とは、意思と欲動を合わせた概念をいいます。
■意欲の障害■
意欲の障害にはさまざまなものがあります。
症状 | 主な疾患 | |
---|---|---|
精神運動性興奮 | ||
①緊張病性興 | 意志の統制を欠き、欲動が病的に亢進した状態 | 統合失調症緊張型 |
②躁病性興奮 | 躁状態に伴う意欲や感情の高揚によって、それ なりのまとまりを有する行動が連続的に起こる | 躁状態 |
精神運動抑制 (制止) |
無気力による自発性の減退や活動性が低下した状態 | うつ病 |
無為 | 自発的に行動せず無気力・無関心に過ごす状態 | 統合失調症 うつ病 |
昏迷 | 意欲がなくなり意志の表出や行動が認められな い状態 | 統合失調症緊張型 うつ病 |
常同症 | 同じ動作(常同行為)や姿勢(常同姿勢)をいつまでも続けること | 統合失調症緊張型 |
カタレプシー | 他から与えられた姿勢をとらせると、いつまでもそのままでいる状態 | 統合失調症緊張型 |
Aさん55歳、男性。統合失調症と診断され1週間前より入院し、現在は抗精神病薬を内服している。Aさんは、病室で座っていられずにずっと動き回っている。考えられる副作用はどれか。
代表的な錐体外路症状を押さえておきましょう!
check & check参照
■錐体外路症状(EPS:extrapyramidal symptom)■
パーキンソン症候群 | 筋強直、振戦、前屈姿勢、仮面様顔貌、流涎等。 |
---|---|
アカシジア (静座不能) |
じっと座っていられず、歩き回ったりする。 |
急性ジストニア | 異常な筋緊張により奇妙な姿勢になる。頸部が側方や後方に突っ張ったり、舌が突出したりする。眼球上転、眼瞼けいれんなどもみられる。 |
遅発性ジスキネジア | 口をもぐもぐさせたりする無目的で不規則な異常不随意運動(一般に、長期服用の場合)。 |
修正型電気けいれん療法(m-ETC)について、正しいのはどれか。
押さえておきたい精神科治療の1つですよ~
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の説明として適切なのはどれか。
PTSDもよく出る問題のひとつです。特徴的な症状は覚えておきましょう♪
■心的外傷後ストレス障害(PTSD)■
心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post-Traumatic Stress Disorder)は強烈な外傷体験をきっかけに発症する精神障害で、心的外傷体験後から症状が1ヵ月以上持続するものをいう。PTSDの原因となる心的外傷は交通事故や外傷、自然災害、犯罪、女性ではレイプ、子どもでは虐待や親の離婚など、人によってさまざまである。
【症状】
突然、恐怖の思い出が繰り返しよみがえるフラッシュバックが起こる(外傷体験の繰り返し侵入)。
外部に対して、麻痺したように何も感じなくなる。自分の殻に閉じこもり、感情が極端に乏しくなる。
眠りが浅い、ささいな刺激に対してひどく驚くなど、過度に興奮した状態がみられる(過覚醒)。
■トラウマインフォームド・ケア(Trauma-Informed Care:TIC)■
支援する者がトラウマに関する知識や対応を身につけ、普段支援している対象に「トラウマがあるかもしれない」という観点をもって対応する支援のこと「トラウマインフォームド・ケア」といいます。
小児期の逆境体験の研究によって、多くの人が虐待や家族機能不全といった逆境体験を体験しているだけでなく、逆境体験を重ねれば重ねるほど行動面、心理面、健康面のリスクが高まることが明らかにされ、トラウマを理解して対応していくことの必要性が高まってきました。今回の出題基準にも、「トラウマインフォームド・ケア」と「逆境体験」が追加されました。
疾患と症状組み合わせで、適切なのはどれか。2つ選べ。
さまざまな疾患の症状のキーワードを押さえておきましょう♪
■アルコール依存症■
アルコールを常用し、身体的・精神的・社会的に障害をきたしている状態。
(1)症状
①身体症状
②精神症状
③離脱症状
④アルコール精神病
(2)社会的障害
①離婚
②勤労意欲の低下・欠勤
③失業
(3)診断
【アルコール依存症の診断基準】(ICD−10※)
過去1年間に以下の項目のうち3項目以上が同時に1か月以上続いたか、または繰り返し出現した場合
|
(4)治療
(5)看護
①離脱期
②慢性期
Aさん、30歳女性。妄想型の統合失調症である。妄想が強い時の看護師の対応として、適切なのはどれか。
統合失調症に限らず、妄想がある場合の対応として押さえておきましょう♪
■母体保護法■
隔離の対象は以下である。
12時間以上の隔離については指定医の判断が必要である。
みなさん、こんにちは~!
とうとう、今年度のひよこ道場も最終回になりました。
国家試験まで、あとわずかですね。
まだまだわからないことはたくさんあって勉強が追いつかない〜!!
と焦ってる人も少なくないでしょう。
完璧にできる人なんていません。
不安がなくなることもありません。
いまやることは、できない理由をつけること(合理化)でもなく、
想像の世界に逃げる(逃避)ことでもなく、
イライラを誰かにぶつけること(置き換え)でもないのです。
(※カッコ内は、防衛機制ですね♪)
わからないことが出たら、その目の前のことに集中してひとつずつ対処していきましょう♪
「あなたのできる範囲」で!
国家試験には、毎年必ず「なんぢゃこりゃぁ!? 問題」があります。
難しいし聞いたことないような問題です。
それも織り込み済みにしましょう。
想定内なことに対するストレスは、とても小さくなるんですよ。
午前問題が難しいこともあります。
そう、それも織り込み済み!
でも、ほとんどの問題は、基本的なことを問うていますよ♪
心を守って、目の前の問題に取り組んでくださいね。
不安を抱えた受験生は、日本中にいます。
みんな同じラインに立っています。
あなたは、1人ではありません。
たくさんの人がついています。
みなさんの心が守られて、受験できるように
なおこ先生は祈っていますよ〜♪