東京アカデミー大阪校
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みなさんこんにちは。東京アカデミー大阪校国家試験担当です。
第113回看護師国家試験では、必修問題で多くの不適切問題が出たことは皆さんもご存知かと思います。
問題の正答率が低くかったため、「問題としては適切であるが、必修問題として妥当ではない」という判断がされました。
不適切問題だから対策されていない方もいるかもしれませんが、関連問題が難易度を下げて出題されたり、一般問題などで出題される可能性も考えられるため、しっかりと見ておきましょう。
【午前問題5】
臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているのはどれか。
1 .オタワ憲章
2 .リスボン宣言
3 .ジュネーブ宣言
4 .ヘルシンキ宣言
正答4
〈解説〉
1 .× オタワ憲章は、1986年にカナダのオタワで開催したヘルスプロモーション国際会議で採択された、世界のすべての人の健康のための憲章である。
2 .× リスボン宣言は、1981年にポルトガルのリスボンで開催した世界医師会総会で採択された、患者の権利に関する宣言である。
3 .× ジュネーブ宣言は、1948年の世界医師会総会で採択された、医の倫理に関する宣言である。
4 .○ ヘルシンキ宣言は、1964年にフィンランドのヘルシンキで開催した世界医師会総会で採択された、臨床試験・治験についてインフォームド・コンセントの必要性を勧告した宣言である。
この問題は、東京アカデミーの自己採点会で当初正答率が29.6%しかなく、第113回の必修問題で最も正答率が低い問題でした。
インフォームド・コンセントはご存じの受験生の方が多かったと思いますが、患者の権利に関する宣言である「リスボン宣言」と迷われた方が多かった問題です。
過去にはヘルシンキ宣言についてこのような問題も出題されていましたので、あわせて見ておきましょう。
【第102回午前問題4】
ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。
1. リビングウィル
2. ヘルスプロモーション
3. ノーマライゼーション
4. インフォームド・コンセント
正答4(正答率41.7%)
ほかの選択肢がそれぞれ何で提唱されたものなのかも押さえておきましょう。