東京アカデミー東京校
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昨日1月26日(日)都立看護専門学校(全7校)の一般入試を受験されたみなさん、お疲れさまでした! 解答速報はすでに公表していますので、ここでは各教科の問題について、簡単な講評と設問ごとのポイントをあげておきますね。
<国語>
近年は大問1=論説的文章 大問2=小説 大問3=論説的文章という組合せがずっと定着していましたが、今回の大問2は小説ではなく、ノンフィクションでした。
難易度的にはだいたい例年通り。傍線部理解など読解系の設問では、正答を1つに決めにくく、かなり迷いそうなものも混ざっています。
読解系の設問の他に、国語知識系の設問もけっこう多いのが都立看護の国語問題の特徴。「漢字」が例年通り2問([問1][問16])。[問14]の「二字熟語の構成」は4年連続での出題です。(実はこれ、2000年代~2010年代前半にかけて毎年必ず出ていたパターン。)特定の漢字の意味を問う[問9]も昨年に続いての出題。また、口語文法の問題([問15]は3年連続での出題になります。こうした国語知識系問題を意識した対策をしておくことも重要ですね。
~設問ごとのポイント~
[問1]3つの漢字は 協 装 概
[問3]続く段落中の「(人間においては、その)脳を、人間を認識し、人間とコミュニケーションをするために進化させてきた」といったあたりが手掛かり。
[問4]続く段落中に「人間らしさの秘密はロボットに実装されており、ロボットを分解して中身を見ることによって、人間らしさの秘密を知ることができる」とありますね。
[問5]「解析的方法」については、傍線部の直後に「人間を完全に調べ切った後で、その知識をもとにロボットを組み立てる」というふうに説明されています。さらに読み進めると、「脳」や「歩行」の実例が挙げられていますので、「人間の脳や体の仕組みすべてを十分に調べた後に~」という②の説明が本文の内容と最も近いでしょう。
[問6]生徒Aの発言中の「ロボットをまず実際に作る~~足りない要素を取り入れてロポットを作り直す」という部分がわかりやすい手掛かりになっています。「実際に作り、何度も作り直す」過程を含むのは②だけ。
[問9]「絶好」の「好」には「好きだ」「好む」みたいな意味はとくにありません。そうではなく、「都合がよい」といった意味合い。同じ意味なのは「好機」の「好」。
[問12]傍線部を含む文、およびそれに続く文を読んで素直に理解できる内容が述べられている選択肢を選べばよいでしょう。
[問13]傍線部直前の2文「スズメより小さな~~全力を振り絞る」を手掛かりに考えます。
[問14]「利用」は似た意味の字を2つ重ねたものと考えるのが自然でしょう。
[問15]動詞や助動詞に続く「ない」は助動詞。一方、「〇〇がない」の「ない」や、形容詞に続く「ない」は形容詞です。
[問16]3つの漢字は 遂 起 因
[問17]消去法的に考えるのがよさそうですね。本文中にまったく書かれていない内容を含むものを消していけば、最終的に④が残ります。
[問18]傍線部直後に、もともと植物が光合成を行っていたわけではなく、光合成を行っていた小さな単細胞生物(葉緑体)を植物が取り込んだのだ……といった話が述べられています。
<数学>
前回(2024年1月実施)、数学の出題内訳・順序はそれまでとは大きく変わり、「数と式」6問→「集合と論理」3問→「2次関数」4問→「図形と計量」5問→「データの分析」2問になりました。今回(2025年1月実施)は前回とまったく同じ配列です。しかも、半数以上の問題は、前回(2024年1月)とほぼ同じパターン(数値などをすこし変えただけ)ですから、最新の過去問をしっかり研究していた方はやりやすかったでしょう。
昨年同様、ほとんどの問題は易しいですね。公式や定義にあてはめるだけですんなり答が出る問題が多く、平均点もかなり高めと推定されます。あえて言えば、図形と計量(三角比)の分野ではあまり見かけたことのないパターンの問題(落ち着いて確認すればべつに難しくありませんが)が出ていたので少しあわてた方もいるかも……。だとしても、「確実に解ける問題を優先して解答する」「わかりにくい問題にはまらない」という鉄則を守っていれば、大きく崩れることはなかっただろうと思います。
~設問ごとのポイント~
[問3]昨年と同じく循環小数の問題です。解き方をきちんと覚えていました?
「問7]この手の集合の問題は、ベン図に直接書き込むとわかりやすいですね。
[問8]x=y=0つまり「x=0かつy=0」の否定は、「x≠0またはy≠0」なので注意。
[問9]p→qが成り立つとき、pが十分条件、qが必要条件。したがって、「pがqであるための十分条件であるが必要条件でない」とは、「p→qは成り立つが、q→pは成り立たない」というのと同じこと。
[問10]「y軸に関して対称移動」なら放物線の方程式にx→-xを代入。「x軸方向に2、y軸方向に-3だけ平行移動」ならx→x-2、y→y+3を代入……といった操作を間違えずにできましたか?
[問11]下に凸の放物線で軸がx=2なので、0≦x≦3の範囲では、x=0のときに最大値をとるはずです。
[問12]x=0のときの値が負、つまり2a+8<0であればよいです。
[問14]tanθとcosθの相互関係式を用います。ちなみに、tanθ<0だから、cosθの値もマイナスになることに注意!(sinθ>0なので、tanθ<0ならば必ずcosθ<0のはず。)
[問15]まず、△ABCで正弦定理を用いてACの長さを求めます。△ADCは3つの角が30°、60°、90°の直角三角形なので、AD:AC=1:2ですよね。ADの長さはACの半分です。
[問16]△ABCで余弦定理より、BC2=20-16cos∠BAC これにBC=16cos∠BACを代入して整理すると 64cos2∠BAC+4cos∠BAC-5=(16cos∠BAC+5)(4cos∠BAC-1)=0
cos∠BAC=-16/5、1/4になります。ところで、辺の長さであるBCは正の値なので、BC=16cos∠BACならばcos∠BACも必ず正の値ですよね。つまり、cos∠BAC=1/4が正答。
[問17]円に内接する四角形では、向かい合う内角の和が180°なので、∠BAD=60°なら、∠BCD=120° あとは三角形の面積の公式を使って△BCDの面積を出すだけです。
[問18]△AOB+△BOC+△COA=△ABCなので、内接円の半径をrとすると、1/2r(4+8+4√5)=16 これを解けばよいですね。
[問19]「分散」「標準偏差」「共分散」…などの定義をしっかり確認しておきましょう。相関係数=xとyの共分散/xの標準偏差 × yの標準偏差 ですので、定義さえ知っていればあとは計算するだけです。
[問20]第1四分位数は41、第3四分位数は57。外れ値は「17以下、81以上」になるので、3個あります。