東京アカデミー新潟校
ブログ
こんにちは。新潟校教員採用担当です。
今回も前回に引き続き、2019年夏に新たに導入された新潟県の2次試験個人面接Ⅰ「学習指導・生徒指導に関する質問」において、実際に聞かれた質問をいくつかご紹介いたします。今回は「生徒指導に関する質問編」です。
【生徒指導に関する質問】
①教育観・教育論に基づいた生徒指導
(例)自己有用感を持つことは大切だと言われているが、どうしてそう思うか。⇒担任として、どんなことに取り組むか。
前提条件として、自己有用感の意味と自己肯定感との違いを理解しておくこと。
国立教育政策研究所「生徒指導リーフleaf.18」⇒http://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf18.pdf
②懲戒と体罰
(例)なぜ体罰はいけないのか。
前提条件として、学校教育法第11条及び「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」の内容を理解していること。
③教育課程における生徒指導
(例)体育祭の種目決めでなかなか立候補者が出ず決まらないとき、どうするか。
④学習態度に関する生徒指導
(例)授業中に立ってウロウロしている生徒がいる。どう対応するか。/課題を提出しない生徒に、担任としてどう働きかけるか(中学校)。
⑤生活習慣に関する生徒指導
(例)毎日遅刻してくる生徒にどう対応するか。
⑥いじめに関する生徒指導
(例)いじめが起こったらどうするか。/「他の生徒にSNSで悪口を書かれた。」と訴えがあった。どう対応するか。
⑦養護教諭に関する生徒指導
(例)保健室で子どもが出すサインにはどのようなものがあるか。/来室しやすい保健室にするためにどうするか。
①、②はこれまでは個人面接で聞かれていた質問です。③~⑥は新潟県をはじめ、各自治体で場面指導(あるいは論作文や集団討論)の課題として定番の質問です。⑦は専門科目の知識を必要とする質問です。
①については、自己有用感の意味を理解することと自身の教育観、②は正しい法規や答申等の知識(体罰の事例はもちろん、体罰に当たらない事例もインプットしておく必要がある)と「教員が加害者になることは絶対にあってはいけない」という強い意志を踏まえたうえで、具体的にどうするかを述べることになりますが、③~⑥はまさに口頭試問形式の場面指導と言えますので、これまでの場面指導と基本的に同じ対策で試験に臨むことになります。ただし、ロールプレイをしないため、近づく、目線を合わせる、体に触れる、などの動作や声掛けが使えません。そのため、受験生の熱量が伝わりにくくなります。回答の内容(取り組みの具体性や正しい知識)はもちろん、表情、身振り手振り、声の大きさなど座っていてもできるあらゆることを駆使して、当該児童生徒に対する真剣な思いをアピールしていただきたいです。
生徒指導に関する質問は、事前に、想定されるゴールとそこに至るルートをどれだけ多く頭に入れておくことができるかが勝負です。
準備としては、「まずどうするか」⇒「次にどうするか」⇒「それからどうするか」と自身の対応を順を追って説明できるように考えておくことが大事です。そして、「それでもうまくいかなかったらどうしますか。」という追質問を想定して、各段階で常に複数のルートを考えておくことも大事です。
また、集団指導と個別指導のバランス・使い分けを考えることや、学校の組織と役割を理解していること、事例ごとにどの専門機関と連携するのかて知っておくことも重要です。受験生の対応が個別指導ばかりだと、面接官は「それをクラスのみんなにどのように伝えますか。」と聞いてきます。生徒指導提要を隅から隅まで熟読し、教育相談の手法や個別の課題を抱える児童生徒への対応など、すべて理解しておきましょう。
他にも、校内規律に関する生徒指導(スマートフォンの持ち込みなど)やいじめ・SNS以外の個別課題(飲酒喫煙薬物・非行・暴力・性・自殺・虐待・不登校など)も当然聞かれる可能性があります。
東京アカデミーでは、教員経験豊富な講師陣が管理職視点からの的確なアドバイスが得られます。アカデミーでの練習でも当該児童生徒を思うあまり、周りが見えていない回答をすることがあります(いじめを見つけたらいきなり校長先生に相談に行ったり、警察に保護された生徒を誰の許可もなく迎えに行ったり)。学校現場のトップである校長経験者からのアドバイスは、自身の気づかない、すごく腑に落ちるアドバイスがたくさんあるはずです。また、他の受講生の練習を見ることで、自身が思いつかない指導に気づき、ルートを増やすことができるようになります。
試験の内容は模擬授業・場面指導から、学習指導・生徒指導に関する質問に代わりましたが、他の受験生と一緒に練習して、良い点を学び、直すべき点に気づき改善することは、変わらず有効な対策です。
人物試験対策コースは2020年1月18日(土)開講です。また、人物試験対策も含んだ一般選考対策コースは年内からのスタートも可能です。
ぜひ、東京アカデミーで一緒に練習をしましょう。