地域の高校生を応援します Part.6【構成で見違える面接回答のコツ】


構成で見違える面接回答のコツ

はじめに

 近年、どの公務員試験においても2次試験の面接試験は重要視されています。
 面接試験がいかに重要なのかを知る手段のひとつとして、自治体が公表している合否の配点比率の一例をご紹介いたします(下表参照)。全体に対する面接試験の占める割合は、国家公務員は2~3割程度ですが、地方公務員はおおむね5割以上と非常に高い割合となっております。
 教育現場においても新学習指導要領が告示され、その方向性が具体的に示されています。高校においては「共通性の確保」と「多様性の対応」の観点を軸にしながら「全ての生徒が社会に生きていくために必要となる力を共通して身に付けることができるようにする。」(中央審議会の答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(2016年12月)より)とあります。
 実際の現場において、これからの時代に必要となる資質や能力の育成を、先生方も意識し実践されていることと思います。そして、この教育が人物重視の試験にも繋がっているとも考えられます。これらのことは、現代社会のニーズに柔軟に対応できる人材を確保したいという現れなのかもしれません。

 こういった背景から、同HP「高校進路指導ご担当先生向け公務員試験情報サイト」の中でも、面接試験対策について4回取り上げて参りました。
 シリーズ①Vol.14 「個別面接のポイント~基礎編~」では、
  面接官が見ているところ(着眼点)と表現(発言)のポイントについて、基本的事項を解説しました。
 シリーズ②Part.4 「有無を言わせないための面接回答のコツ」では、
  第一印象(入室から着席まで)の重要性について、そのポイントを解説しました。
 シリーズ③Part.11 「諦めない。面接編」では、
  試験直前の1カ月間でやっておくべき対策について解説しました。
 シリーズ④Part.4 「のどから手が出るほど欲しい。面接質問事例集」では、
  各試験で実際に聞かれた質問事項を取り上げ、その回答のポイントを解説しました。
 どの試験においても「個別面接」を実施しない試験はありません。複数の面接官から次々と質問や説明を求められるため、現役高校生の多くが苦手とする分野であり、受験生のタイプも多様です。
 東京アカデミーでは、これまで全国の自治体で実施された面接試験情報を収集し、多種多様な受験生を合格に導くための対策を行ってきました。その中で培った対策ノウハウの中から、今回は「構成で見違える面接回答のコツ」をお届けいたします。

第1章 入室から面接質問のやりとりと退室までの面接試験全体を4部構成で組み立てる

 ハリウッド映画では三幕形式といわれる展開があり、観る者を飽きさせない構成があります。「序破急」と言った日本の雅楽など伝統音楽と同じです。クラシックの交響曲や協奏曲でも、第一楽章から第四楽章(あるいは第三楽章)まで起承転結と言えるような構成が中心です。

例えば、おなじみの昔話の桃太郎を例にとってみると…
昔話の桃太郎を例にとると
 面接の構成も同じようなことが言えます。面接官をいかに飽きさせず感動させ、最後に「また会いたい!」「一緒に働きたい!」と思って貰えるかです。

☆ 面接における第一章(第一幕)
 例えば、ベートーベンの交響曲第5番「運命」の第一楽章は「タタタターン」の非常に印象的なメロディー・リズムからスタートしており、これからどのような音楽が展開していくのだろうという期待感を与えてくれます。
メラビアンの法則 面接試験の場合は、ノック、入室、着席までの部分が面接の第一幕(第一楽章)であり、いわば「第一印象」といえます。その「第一印象」の大半は【視覚(見た目)】で決まってしまい、これに【聴覚 (声のトーンや話し方)】が加わることで印象の9割以上が決まってしまいます。
 きちんとした身だしなみで、笑顔で元気よく清潔感、爽やかさ(「視覚」「聴覚」から与える印象)があれば、実際の面接回答への期待感が高まります。
 「もっと聞いてみたい」と、第一幕(第一印象)で思わせるかどうかで、結果が大きく左右します。
(第一印象の詳細は、同サイトのシリーズ②のPart.4 をご覧ください)。

☆ 面接における第二章(第二幕)
写真 例えば、どの公務員試験でも1つ目や2つ目に聞かれる「志望動機」や「どうしてこの自治体を受験しましたか?」など、その回答内容によって、その後の面接の行方を決定づけます。
 淡々と用意してきた原稿を読んでいるような回答や、個性の感じられないありきたりな内容では、「面白みのない、やる気が感じられない人物」という方向性が決まってしまいます。
 逆に、面接官の目をしっかりと見つめ、笑顔で自分の言葉で一生懸命回答しようという意欲を出し、かつ、受験先の自治体のこと、仕事内容などを調査し、しっかり準備をしてきたということを感じさせることができれば、「この受験生のことをもっと知りたい!」「もっと聞きたい」と思って貰えるはずです。
 この第二幕が、次の第三幕(クライマックス)への期待感をいっそう高めていくのです。

☆ 面接における第三章(第三幕)
 第二幕で面接官の気持ちを盛り上げた後、第三幕では細かい質問事項への対応が必要になります。
 ここでは、自分のウリや長所、セールスポイントを一気にアピールし、クライマックスに持っていかなくてはなりません。
 面接試験においてのクライマックスとは、面接官にインパクトや説得力のある印象を与えることが重要となります。これまでの経験の中から、この経験こそ自分をアピールできる!優先順位の高い経験談を2つ3つ用意しておきましょう。そして、その体験談は話し手の説明の工夫によって飛躍的に向上することができます。
 例えば「部活で部長経験があり、責任感は人一倍強いです」などと答えても、どんな部長だったのか、どのような苦労を乗り越えてきたのかは判断がつきません。この場合、部長であったことは問題にはならず、面接官はどのように頑張れる人なのかを知りたいのです。
 本当に頑張りを伝えたいのであれば、自分ならではの他の人には言えないエピソードを織り交ぜることや、苦労や試行錯誤が見られる話をすることが面接官の心を動かすのです(詳細は後述の第2章の第二部をご参照ください)。
 この第三幕(クライマックス)を盛り上げていけるのか…いよいよ、次は第四幕(フィナーレ)です。

☆ 面接における第四章(第四幕)
 いよいよ最終章、面接での締めにあたります。最後の質問と最後の回答、退室までのフィナーレをどう組み立てるかで、合格を確実なものにします。
イラスト 例えば、どんなにドキドキワクワクして読み進めていた物語でも、最後のフィナーレが締まらなければ、物語の印象が台無しになってしまいます。冒頭で例に出した「桃太郎」の物語の最後は、「宝物を持って帰った桃太郎は、おじいさん、おばあさんと幸せに暮らしました。」ですが、もし、この最後が「宝物を積んだ桃太郎の船は、大嵐にあい、海の底に沈んでしまいました…」だったらどうでしょうか。第三幕までの高揚感は失われ、後味の悪さが残ってしまうでしょう。
 面接試験においても同様で、「最後に何か質問はありますか?」の問いに「特にありません。」と答えたり、面接試験が終わったという油断から最後のあいさつや退室の態度がだらしなかったりすれば、当然、それまで「この受験生と一緒に働きたい!」と思っていた面接官の気持ちは盛り下がってしまいます。
 素晴らしいフィナーレを迎えることができるよう、最後の最後まで、退室して面接官から姿が見えなくなるまで、気を抜かず、取り組みましょう。

第2章 面接の回答を「分かりやすく」「納得できる」「オリジナリティ優先」の3部構成で組み立てる

 第1章では、面接試験の入室から退室までを四部構成で考え、コツをご案内いたしました。
 同様に、面接の回答にも構成が必要です。この受験生の話は分かりやすく、かつ、納得できる、そして、オリジナリティ溢れると思わせる構成が肝心です。そのような観点から、よりよい回答をしていくにあたって、3部構成で考えると組み立てていきやすいかと思います。

☆ 第一部 ~ 回答は結論から ~
 やはり結論から述べることが好ましいと言えます。
 結論を言わずに、そこに至る経緯や考えなどをクドクド続けると、いったい何が言いたいのか分からなくなってきます。また、自信のない人や答えを探している人の殆どが、結論を言わずに、頭の中で答えを探しながら、あれこれと理屈を並べたり、本題からずれている内容の話をしたりします。
 見ている側からすると、自信の無さや準備不足を露呈しているようなものです。質問には、真っ先に結論から述べて、その後、補足説明、具体例を述べるべきです。

☆ 第二部 ~ 体験談やエピソードを述べる ~
 結論を述べた後、肝心なことは、具体的な経験談、エピソードを交えながら、説明することです。
 例えば、「高校時代にいちばん打ち込んだことは何ですか」という質問に対しては、

 このように、結論の後に、具体例(体験談、エピソード)を盛り込むことで、話の真実味が増し、オリジナリ ティ溢れる、分かりやすい内容になります。この回答を更にパンチを効かせたものにするためには、第三部をご覧ください。

☆ 第三部 ~ 意欲、決意を述べる ~
 最後のまとめとして、第二部で述べた具体例(体験談、エピソード)を受けた内容で、採用後の再現性や意欲を付け足せば、申し分ない回答の出来上がりです。
 上記の例(第二部参照)であれば、「クラブ活動を通じて身に着けた、全体のために個人が果たす役割をさらに意識し、採用後も、組織全体のために頑張っていく決意です」と締めくくることで、より面接官に自身の意欲を納得させることができます。

☆ 回答時間の長さで構成を考える ~回答時間もメリハリを~
 10項目質問されたとすれば、何割かの質問には、15秒程度で簡潔に回答し、自身をよりアピールできると思える何割かの質問には、「結論⇒具体例⇒今後への決意」の三部構成を回答の柱として1分程度でしっかりと説明する。この回答の長さをコントロールする構成力を身につければ、メリハリの効いた、納得できる面接受け答えとなります。長すぎる回答ばかりではダメ。簡潔すぎる回答ばかりでもダメ。すべては、バランスのとれた構成です。

第3章 質問例と応答例 ~実際の例を見てみましょう~

(質問例Ⅰ)志望動機

(質問例Ⅱ)自己PR

おわりに

 公務員試験において、非常に重要な位置を占める面接試験。
 今回の記事では、「構成」をテーマに面接についてのポイントをお伝えさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
 実際には高校生が大人である志望先の面接官に対して自分自身の熱い思いをしっかりと伝え、自分の良さを最大限にアピールできるようになるまでには思いのほか時間がかかると思われます。
 従って先生方には出来るだけ早めに、なりたい職業へのイメージを持たせた上で、より興味を持たせるから始めていただければと考えております。そしてなりたいものに対する気持ちややりたいことに対する思いを自分自身の言葉で伝えられるよう、何度も何度も本番形式での実践練習を通してご指導いただけると幸いです。
 私たち、東京アカデミーは現役で公務員試験に合格する生徒様がたくさん出ることを、心より願っております。

・次回の記事は、「ちいきのこうこういをおうえんします」の「せ」にちなんで「センスを磨け!一般知能」を掲載いたします。教養試験の約半分の出題を占める重要科目「一般知能」の学習のコツをお伝えいたします!生徒様へのご指導にお役立てください。