地方公務員なら東京アカデミー Part.4【有無を言わせないための面接回答のコツ】


有無を言わせないための面接回答のコツ

 Part.4の今回は「有無を言わせないための面接回答のコツ」です。
 進路指導の先生方に面接指導を説くなどはまさに「釈迦に説法」ですが、東京アカデミーが創立から49年間試行錯誤を重ね、現在全国32校で実践指導しているノウハウの一部は必ずや高校で生徒指導をされる先生方の一助となると確信しています。今回の「有無を言わせないための面接回答のコツ」が実際のご指導に役立ちましたら幸いです。

「有無を言わせない」とは

 個人面接、集団面接、集団討論など人物評価試験の内容に様々な工夫が凝らされ、評価の在り方もコンピテンシー評価型となるなど試験が高度化されて付け焼刃の対策では歯が立たなくなった一方で、改めて今「入室15秒で採用は決まる」「面接官の3秒ルール」などいわゆる“一目惚れ採用”の実態や重要性も大きな話題となっているのはご存じの通りです。

 一見相反するような事象が同時に起こっているこの理由はなぜでしょうか。
 そもそもの面接試験の意義に立ち返って検証してみると、実はその理由が明確に浮かび上がってきます。

 弊社は公務員試験対策予備校として生徒の合格を支援する一方で、公的機関の採用ご担当者向け支援として「面接技法研修」も行います。そこでは試験形式ごとの着眼点や試験官としてのマナーやタブーを研修するのは勿論ですが、必ず強調するのは「面接試験を行う根本的意義」を理解していただくことです。根本的意義とはすなわち「面接をしてどのような人を見つけたいのか」という面接本来の目的です。

 つまり面接試験はいくら複数の面接官で担当してもその組織で「今回の面接試験でこういう人を見つけるぞ!」という一定の目的、質問の傾向、最重要観点を揃えることが不可欠である、と研修します。このような研修は弊社のみならず様々な団体によって行われていますから、昨今の高度化された正しい面接試験というのは複数いる面接官のそれぞれ勝手な着眼点や好みだけで合否が決まることはまず無いと言ってよいでしょう。当然公務員試験も然りです。

 裏を返すと先生方には、この「こういう生徒を見つけるぞ!」と息巻く面接官たちに“ビシッ!とハマる”コツを生徒に伝えて頂きたいのです。これこそが我々が提案する「有無を言わせない」という視点です。

 以下にその代表的な例を「有無を言わせないためのPOINT」として紹介致します。

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「有無を言わせない」 ポイントはここだ!

 面接には「こういう生徒を見つけるぞ!」という目的、根本的意義があることは前述しました。
 次はより具体的に、自治体や企業の採用活動や面接に関するアンケートや調査結果からその中身を探っていきましょう。

 次の3つのグラフは採用側に向けられたアンケートの回答結果です。それぞれ赤色の部分に着目してください。

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 質問の切り口は「採用に重視すること」「不採用の生徒の足らなかったところ」「高校生の印象」と若干異なるものの、その回答結果には「礼儀・挨拶・マナーのしっかりした、元気で明るい生徒を採りたい」という採用側の意思が共通して読み取れ、しかも最上位に明確に表れています。

 ここに、冒頭にも触れました“一目ぼれ採用”にも通じる「有無を言わせないポイント」が隠れています。
 POINT 開始15秒間で「有無を言わせない」! →次項の実践指導で詳しく解説します。

 生徒へご指導いただくコツの前にもう一つだけお伝えしたいことがあります。
 それは面接官の心理的の側面からも「有無を言わせない生徒」は実際に存在するという事実です。それは何故なのか、以下に簡単に述べさせて頂きます。

 【ハロー効果】
観察対象に対する顕著に良い(悪い)一面の印象によって、ほかの諸側面の評価も測定された特性そのものよりも良い(悪い)評価に偏る心理効果。

 【認証バイアス】
自分の先入観に基づいて対象を観察し、自分に都合の良い情報だけに目を向け、自分の先入観が正しいという確証を得るように物事を捉えてしまう認知の偏り。

 このような心理効果から見ても、第一印象が本当に正しいがどうかは分かりません。しかしながら第一印象が外れることは、経験的に少ないのは誰もが知るところです。面接試験が「人が人を判断する試験」である以上、面接官も第一印象に頼るのもある意味では、合理的な判断と言えるのかも知れません。

 つまりは先に述べたポイントに沿って“面接官の期待を超えるパフォーマンス”を発揮して「この生徒は良いぞ!」と思わせれば、面接官は本能的印象からも心理的効果からも「良い評価」から抜け出すことは難しい、すなわちその生徒は「有無を言わせない」状態で面接試験に完全に勝利するのです。

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指導実践 開始15秒で「有無を言わせない」!

「突き抜けたレベルの第一印象」に磨きあげる。

 2015年はラグビーワールドカップ日本代表の大活躍が社会現象となり、中でもある選手がキックをする際の一連の動作が大変に注目を浴びました。実際にボールを蹴る前の予備動作を試行錯誤のうえ規則化し、全神経を研ぎ澄まして動きの一つ一つに集中し、大舞台でも平常心で持てる力を最大に発揮できたあの「ルーティン」です。

 実は面接試験も同じです。実際の面接問答に入る前のノック→入室→挨拶→着席までの15秒間を“面接ルーティン”として完璧にすることでその後の面接問答が上手くいくのです。具体的な“面接ルーティン”イメージはこうです。

① 小気味の良いノック
② ドアの正しい開閉マナーと入室の際の挨拶の歯切れのよさ
③ きびきびした動作、礼と受験者席までの自信を持った歩き方
④ 爽やかな笑顔で述べる受験番号と着席した時の伸びた背筋

 この①~④一つ一つの動きを事前に精査し、繰り返し練習し、あの選手のキックのごとく完璧な予備動作を行うことで「有無を言わせない」第一印象を作るのです。以下に動作チェックの一例をあげます。

 【小気味良いノック】
 ドアを開ける前に「失礼します」と言うのはNGです。その言葉の前に「コンコンコン」という軽やかなノックをリズムよくできる練習が必要です。「ドンドン」というノックは音の印象から「粗雑なタイプ」に思われるので注意。ノックの回数は2回ではなく3回(回数はあまり気にしなくてもいいですが一般的に2回はトイレのノックと言われています)。
 ノックは面接官に入室の意思を伝えるための動作です。しっかりと中に伝わる一方、心地良くテンポの良いノックをご指導ください。

 【ドアの正しい開閉マナーと入室の際の歯切れのよさ】
第一印象のかなりの部分がここで出来上がります。ドアの開閉の際の動作は4つ。
・背筋を伸ばしドアを開け入室する。
・入室し、体を斜めにドアに向き静かに完全にドアを閉める。
・面接官に向き直り「気を付け」の姿勢をとる。
・視線をキョロキョロさせず面接官に向ける。

 まず絶対にしてはいけないのが、ドアを開けドアノブに手をかけたままで挨拶しながら入室する事です。全ての動作の鉄則として1動作に付き1つの意味のみ!2つの意味の動作を同時進行させない!を徹底してください。ドアを閉める際は完全に後ろを向くのではなく、体を斜めにした状態で閉めるのが良い印象を生みます。ここでは見るからに無駄な動きが多い、姿勢が悪い、視点が定まらない、ことも修正してください。動作はこれだけですが最初から上手くできる生徒はいません。スマートに爽やかにできるまで何度でも繰り返させてください。

 【きびきびした動作、礼と受験者席までの自信を持った歩き方】
入室の際も練習を重ねないと印象の悪いものになりがちです。動作は3つ。
・面接官に向き直り、視線は複数いる面接官の中心人物の目に合わせる。
・「失礼します」と挨拶をする。
・礼をする。

 ここでも「頭をさげ」ながら「挨拶」を発する礼はNGです。1動作に付き1つの意味のみ!2つの意味の動作を同時進行させない!の鉄則を守らせてください。動作のコツは歯切れよく、動作の区切りひとつひとつに常にピリオドが打たれているイメージで動くことです。「気を付け」も姿勢から指先まで注意を向けさせてください。背筋の伸びは言うまでもないですが、指先がだらんとしているのとピンと伸びているのでは印象が驚くほど変わります。

 またこの場での礼は「会釈」ではなく体を曲げて行う「最敬礼」です。この違いを理解していない生徒も多く、軽く頭を下げる「会釈」だけで済ませる生徒には必ずご指導ください。

その後、席まで進みます。距離は3メートル程度ですがこの瞬間の印象も大変重要です。動作は4つ。
・正しい姿勢で前を向き、堂々と席まで歩く。
・着席すべき椅子の左側に立ち「気を付け」で静止する。
・受験番号・氏名を申告する。
・面接官に促されてから「失礼します」とあいさつし着席する。

 足の運びはつま先を正面に向け自然な歩幅で歩くこと。靴底をするような歩き方やどたどた歩く印象も、本人は全く意識していないことが殆どです。足運びや歩く恰好の悪い生徒に対しては、ご指摘をお願いします。
 1動作に付き1つの意味のみ!2つの意味の動作を同時進行させない!の鉄則はここも同じ。「歩きながら会釈」「失礼しますと言いながら着席」などは必ず矯正してください。着席する席の左側まで進み「気を付け」の姿勢で静止、中央の面接官の目を見ながら「受験番号○○番、○山△男と申します、本日はよろしくお願いします」と元気よく挨拶する。なお試験官が着席を促すまでは決して座らないことも徹底させてください。

 いかがでしょうか、ノック→入室→挨拶→着席までの15秒は非常に濃密な時間だということがお分かり頂けると思います。この面接ルーティンを確立し、繰り返し訓練し、当日も全神経を集中して一つ一つ完璧に動作する。加えて髪形や制服の清潔さ・靴の汚れの有無などにも気を使っている。このような生徒が面接で不合格になるでしょうか。これが採用担当に「有無を言わせない」生徒です。

 言うまでもなくこのレベルには直ぐには到達しません。繰り返し完璧なレベルになるまで時間を掛けて仕上げる必要があります。今はスマホなどで動画を撮り生徒に直接見せてご指導されるのも効果的だと思います。自分の入室姿を“自分で”見て理解させてください。

 そして生徒には、面接は異年齢の方とのコミュニケーションであること、面接官との世代間常識ギャップが少なからず必ずあること、をご指導ください。生徒自身の常識や演出は面接官世代にはどうしても雑な作法やマイナス要素に映りがちです。必ず先生方大人の目で、社会の常識で細かく厳しく指導を加えてください。

 東京アカデミーは「有無を言わせない」ためにこの15秒の指導にこだわります。

地方公務員なら東京アカデミー

 最後に評価の一例として静岡県職員採用試験の「高卒程度事務系」の得点配分と、静岡市職員採用試験の「高卒程度 事務系・消防官」の採用試験配点率をご覧ください。
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 このように筆記試験の点数と比べても面接試験の点数は非常にウエイトのある重要な試験です。だからこそ、早い時期から筆記試験対策と面接試験対策を並行して進めていくべきものであることをみなさんに強く助言をしてください。

 東京アカデミーでは、今回述べたこと以外にも、様々な面接への取り組みと実践的な練習を行っています。それは、公務員に最終合格してもらうことがわたしたちの目的だからです。東京アカデミーでは、地方公務員を目指す高校生のみなさんが、現役で最終合格できるように全力でサポートさせて頂きます。

 次回の記事は、「地方公務員なら東京アカデミー(ちほうこうむいんならとうきょうあかでみー)の「いん」にちなんで「インプットは『先にする派』それとも『後から派』」を掲載いたします。生徒様へのご指導にお役立てください。